お焼香は3回繰り返します。会葬者が多いときは1回だけでもかまいません。
故人さまの冥福を祈る気持ちが大切なので、回数の決まりはありません。
また、通夜に弔問するときは、線香をあげます。線香は1本手にとり、ろうそくの火を線香に移したら、 片手であおいで火を消して立てます。
線香を2本たくときは、香炉に1本ずつ離して立てますが、宗旨によっては、線香を寝かせる場合もあります。

焼香の宗派による違い
🔶天台宗
回数については特に定めがない。
🔶真言宗
通常3回。仏・法・僧に供養すること、身・口・意の三蜜修行に精進すること、戒香・定香・解脱香といって、自らが戒律を保ち、心の静寂をもとめることができる功徳があると説明されている。
🔶浄土宗
特に定めがない。「真心をこめて一心に」で1回、「身を沈めて1回、心を清めるのに1回」で2回、「仏・法・僧への帰依」「過去・現在・未来の衆生に回向」で3回。
🔶臨済宗
回数にこだわらない。
🔶曹洞宗
回数にこだわらない。
🔶日蓮宗
通常3回。仏・法・僧の三宝供養とも、「空・仮・中の三諦」にならうともいわれる。

※以上の宗派の場合には、香を額に戴いて焼香します。
🔶浄土真宗
あくまで自分の心身を清めるためとも説明され、香を戴くことはしない。
本願寺派(西)では1回、大谷派(東)では2回とされている。線香を用いる場合には本数を気にせず、立てないで横にする。

回し焼香について



式場や時間の関係で、回し焼香が行われる場合があります。
自分の前に香炉が回ってきたら、香炉を盆ごと両手で受け取り、膝の前に置いて焼香をします。
もし、膝の前が狭い場合は、膝にのせて焼香をします。次の人に回す時は、「お先に」と小さな声で挨拶したほうがいいでしょう

★キリスト教の場合 〜献花の作法〜

仏式の通夜・葬儀にあたるものをキリス卜教式では前夜祭・告別式といいます。仏式の焼香の代わりに献花が行われます。
キリス卜教では故人は「神のもとに召される」という考え方ですので、お悔やみの言葉は避けて脇別れにお伺いしました」というような挨拶の仕方がよいでしよう。
また、会揚では信者の方々が賛美歌や祈りの言葉をささげる場面がありますが、出来る範囲で声を出してあげるのが故人へのたむけとなります。
一般的に、スタッフや信者から花を渡されたら茎を故人さま側に向けるように置きます。無宗教で献花によるお別れが行われた場合も同様に置きます。

🔶 献花の作法

右手の手のひらを上にして、左側に茎、右側に花がくるように両手で花を受け取る。
花を胸の高さに持って献花台にゆっくりと進み、霊前にー礼します。
献花台の前で花輪を時計回りに回し、茎を霊前の方に向けて献花台にささげます。
献花が終わったら数歩下がり、両手を合わせて黙祷します。向きを変え司祭と遺族にー礼して退きます。
献花の後、信者の方は十字を切り両手を組み合わせますが、一般の方は黙祷や台掌、一礼などでかまいません。

🔶神式の場合 〜玉串奉奠の作法〜

仏式の通夜・葬儀にあたるものを神式では通夜祭・葬場祭といいます。仏式の焼香の代わりに玉串奉奠(たまぐしほうてん)が行われます。
玉串奉奠には、玉串に自分の悲しみの心をのせて神に捧げるという意昧もあります。玉串とは榊の枝に「神垂」という紙片を付けたもので、これを神前に供えることを奉奠といいます。
正式には玉串奉奠の前に、手を清めロをすすぐ「手水の儀」という作法があります。
地域によっては多少作法が違う場合もあります。
手水の儀ひしゃくを取り左手、右手の順に水を掛け清めます。最後に左手でロをすすぎます。

🔶玉串奉奠の作法

遺族と神官にー礼し、右手で枝の部分を、左手の手のひらで葉の部分を受け、玉串を受け取ります。

祭壇の数歩手前でー礼し、祭壇に進みながら玉串の枝の部分を自分の方へ向ける。
祭壇の前で左右の手を持ちかえて、枝の部分が祭壇の方へ向くように時計回りに半回転させます。
玉串の枝を祭壇側に向けたまま、 玉串台に静かに置きます。
姿勢を正し、ニ礼、ニ拍手(手をたたかず音を立てない「しのび手」)、一礼をした後、
数歩下がり遺族と神官に一礼して退きます。
地域によって、玉串奉奠ではなく、洗米にて行う場合や作法が異なる場合もあります。また会場の都合上「手水の儀」を省略する場合もあります。